電気や水道、田舎の車といった感じで今や生活に欠かせない「インフラ」とも言える通信事業。その中でも最も私たちの生活に身近なのがスマートフォン。
スマートフォンを使うためにはどこかしらの通信事業者で回線を契約しておく必要があるのだが、いままではMNO(いわゆる格安SIM)が安くておすすめだったが、大手キャリア(docomoやau、SoftBankなど)と比較すると速度や安定性に問題があった。
そうした中で最近何かと話題なのが第4のキャリア「楽天モバイル
」。
良い意味でも悪い意味でも注目を集めているサービスだが、総合的にみて契約するなら「今しかない」と感じたので私はいつの間にか契約してしまっていた。
目次
第4のキャリア「楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)」とは

というわけで思わずポチってしまった「楽天モバイル
」だが、まずはサービスの概要から紹介していこう。ちなみに良く聞く「Rakuten UN-LIMIT」というのはサービス名なので、この記事では「楽天モバイル」と記載して紹介していく。
いままでは docomoや au といった大手キャリアの回線を借りてサービスを提供する MVNO(格安SIM)と呼ばれるサービスであったが、2020年4月から MNO(docomo や auと同じキャリア)に参入した。
後発ということもあって大手キャリアよりも安く無制限で使えたり端末代金が安かったりと、サービス内容はかなり挑戦的。
独自回線を使うためにはまだまだエリアが限られてしまうためメインとして使うのは不安があるものの、今なら 1年間無料で使えるため「とりあえず試しに契約するか」という人も多いはずだ。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)の特徴(契約するメリット・デメリット)

WiFiサービスに特化したサイトを運営している私が思わず契約するに至った「楽天モバイル」のサービス内容を詳しく紹介していこう。
なお、以下にそれぞれの見出しのリンクを載せておくので「気になったところだけ読みたい」という人はそれぞれのリンクをクリックしてチェックしておこう。
料金は月額2,980円、初期費用は3,300円
サービス名 | 楽天UN-LIMIT |
---|---|
初期費用 | 3,300円 |
月額料金 | 2,980円 |
端末代金 | 機種によって異なる |
楽天モバイルのプランはシンプルに1種類のみ。
初期費用は3,300円だが、契約後楽天Linkアプリに登録すれば全額楽天ポイントで還元されるため実質無料。月額料金については 2,980円。
楽天回線エリアであればこの料金で無制限で使えるためかなりお得感がある。なお、楽天回線のエリア外の人だと月5GB で速度制限がかかってしまうのだが、1Mbps と動画の視聴くらいなら問題ない速度で使えることを考えればコスパは高い(回線エリアについては後述する)。
なお、端末代金は契約時に選ぶ端末によって異なるのだが、他社のように月額料金に上乗せするような形ではないのである意味安心だ。
1年間月額料金無料キャンペーン中

私が契約に至った一番の理由がこれ。
現在楽天モバイルは新規顧客の獲得に躍起になっているのもあり先着300万名限定で1年間月額料金が無料となるキャンペーンを実施している。
楽天モバイルは契約期間の縛りもないため「無料なら取り敢えず契約しておいて、気に入らなかったら後で解約すればいいか」といった感じで軽い気持ちで契約に至った。
今なら最大21,300円相当のポイント還元

キャンペーン | 条件 |
---|---|
事務手数料相当(3,300円)が全額還元 | 端末が届き次第通話アプリ「Rakuten Link」を使用 |
3,000円相当のポイントプレゼント | オンラインでの申し込み + 「Rakuten Link」を使用 |
最大15,000円相当のポイントプレゼント | 対象のスマホを購入する (選ぶスマホによってもらえるポイントが異なる) |
上記した月額料金無料キャンペーンの対象となった場合、1年間に支払わなければならない唯一の料金となるのが契約事務手数料(税込み3,300円)なのだが、その金額分のポイントがもらえるため本当に無料で使えてしまう。
また、オンラインでの申込みで 3,000円分のポイントがもらえるため「自分で持っているスマホをそのまま使って楽天モバイルで SIMだけを契約する」といった場合には事務手数料分とあわせて 6,300円分のポイントがもらえると思っていれば間違いない(他社で契約したスマホを使う場合、使える機種が限られるので注意)。

さらに、対象のスマホを購入した場合には最大15,000円相当のポイントがもらえる。このキャンペーンは使いようによってはかなりお得(例えば通常だと 17,000円の「Galaxy A7」を契約した場合、実質2,000円で購入できる計算になる)。
なお、上記したキャンペーンを適用する場合には以下リンク先の Androidアプリ「Rakuten Link」で SMS認証をする必要があるので現状 iPhone では使えないところには注意が必要だ(詳しくは後述する)。
- 手持ちの Androidスマホを使って契約する:6,300円相当のポイント
- 対象のスマホを購入して契約する:最大21,300円相当のポイント
最低利用期間(契約期間の縛り)がない
大手キャリアだと最低利用期間が 2年となっているのが一般的だが、楽天モバイルの場合はこれがない。
1年くらい前までは大手キャリアで契約期間内に解約した場合に 9,500円ほどかかっていた解約金。「電気通信事業法の改正」以降は解約金が 1,000円までとなっているのでそこまで気にする必要もなくなったのだが、無料なのはやはり嬉しい。
データ容量無制限で使い放題(楽天回線のエリアなら高速)

楽天の自社回線であれば、データ容量無制限でかつ、高速通信を楽しむことができる。
当サイトでは多くの無制限ポケットWiFiサービスを紹介してきたのだが、これはかなり衝撃。通常時の月額料金 2,980円でも無制限で使えるサービスは存在しないので、楽天モバイルの価格設定がいかに挑戦的でかつ本気でユーザーを増やしたいのかが伺える。
なお、現状では楽天の自社回線エリアは都市部中心であり、エリア外の人はパートナー回線(au回線)に繋がり、月5GBまでとなっている。
月5GBを使い切った場合には速度制限がかかるのだが、1Mbps(YouTubeのフルHD動画がストレスなく視聴できる速度)は維持してくれるので、動画のアップロードなど重たいファイルを扱う人でなければコスパの高いポケットWiFiとしても使えるのは嬉しい。
- 楽天回線のエリアに住んでいる人:高速通信が使い放題
- 楽天回線エリア外に住んでいる人:au回線で月5GB+速度制限後は1Mbpsで使い放題
「Rakuten Link」アプリを使えば通話料無料で電話かけ放題

先ほど紹介したアプリ「Rakuten Link」を使えば通話料無料で電話かけ放題。
他社でも「1回5分までなら無料」といった内容のサービスは存在するが、それらはほとんどが有料のサービスだし、楽天モバイルだと無料アプリを使うだけなのでかなりお得。
Rakuten Link アプリでできることは以下の画像の通り。

なお「電話をかける度にアプリを使うのが面倒だし、ネットで調べた場所に電話を掛ける場合に不便」だと思う人もいるかもしれないが、Android だと「(電話を)デフォルトで使うアプリを設定する」といったことができるので、一度設定しておけばまったく不便は感じない。
購入した場合、製品はすべてSIMフリー
通常、docomo や SoftBankなどのキャリアでスマートフォンを契約した場合「SIMロック」と呼ばれる契約したキャリアでしか使えない仕様となっているのだが、楽天モバイルで購入したスマートフォンは SIMフリー。
つまり Appleで iPhoneを購入した場合と同じように、楽天モバイルで購入したスマートフォンは docomoや au の SIMを挿して使えるということだ。
いちいち乗り換えるのが億劫だと思っている一般的な人にはあまり重要ではないことのように思えるかもしれないが、ガジェットが好きな僕のような人にとっては同じ端末を他社でも使えるというのは結構便利。
契約しているだけで、楽天ポイントが貯まりやすくなる

- 楽天モバイルの支払い金額100円につき1ポイント
- 楽天市場のポイントが+1倍
上記の通り楽天モバイルは契約しているだけで楽天ポイントが貯まりやすくなる。
楽天ポイントといえば楽天市場での買い物だけでなく「楽天Pay」を使えばコンビニやドラッグストアなどあらゆる場所で利用できる汎用性の高いポイントなので、実質ほぼ現金と言っていい。
特別な条件もなく、契約しているだけでポイントが貯まりやすくなるのは嬉しい。なお、貯まったポイントは楽天モバイルの支払いにも使えるので楽天カードをメインのクレジットカードとして使っている人なら月2,980円だとしても無料で使うことも可能だ(実際、僕は毎月数千ポイント貯まっている)。
海外で月2GBまで無料で使える

通常、海外に行くときにはそれぞれの場所で使える SIMもしくはポケットWiFi を契約する必要があるのだが、楽天モバイルは特別な手続き不要で月2GB まで無料。
月 2GBだと結構すぐに使い切ってしまうと思うのだが「あって困らない」程度には嬉しいサービス。
対象国は以下の通りで主要な国は網羅している。
アイスランド、アイルランド、アメリカ(ハワイ)、アメリカ本土、アンドラ、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、カンボジア、韓国、キプロス、ギリシャ、グアドループ、グアム、クロアチア、サイパン、ジブラルタル、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、タイ、台湾、チェコ共和国、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブラジル、フランス、フランス領ギアナ、ブルガリア、ベトナム、ペルー、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マカオ、マルタ、マルティニーク、マレーシア、南アフリカ、ミャンマー、メキシコ、モロッコ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、レユニオン、ロシア(2020年3月3日時点)
楽天モバイル
iPhone は使えないことはないが、Rakuten Linkのアクティベーションはできない

日本では圧倒的にユーザーが多い iPhone 。楽天モバイルでも使えないことはないのだが、動作保証されているわけではない点には注意が必要だ。
有名なところだと Googleのスマートフォン「Pixel4」は楽天回線に対応していると公式サイトでも明記されているのだが、iPhone はそのページに記載されていない。
一部の機能は使えるが、パートナー回線では SMSが使えず電話かけ放題となる「Rakuten Link」も使えない(アクティベーションができない)。
日本で「第4のキャリア」を名乗っていく以上、今後 iPhone を取り扱うのは確実だが自社回線のエリアが全国に展開される2021年3月末までは難しいのかもしれない。私自身も楽天回線のエリアではなく地方在住であるため、今後に期待したい。
サービス開始直後であり、信頼感が薄い
ガラケー時代からいろんなキャリアを経験してきた私自身としては「docomo や auだから安心」だとは全く思っていないが(妻はdocomoで余計なお金を払わされていたことがある)、まだ開始したばかりのサービスだということもあり、楽天モバイルに対しての信頼感は薄い。
また、最近は「主要スマートフォン Rakuten mini の対応バンドを無断で変更した」といったニュースもあり悪い意味で話題になっているし、今後が不安なキャリアだと言えるだろう。
回線速度や安定性が悪くなる可能性もあり、メインの回線として使うのは不安

上記した通り、サービス開始後間もないことや楽天回線のエリアが狭い(基地局が少ない)こと、無制限で使えるためユーザー数が増えることが予測されるといった理由から回線速度や安定性が悪くなる可能性がある。
格安SIM のように他のキャリアから回線を借りているという形を取っているわけではないため確実にそうなるとは言えないが、メインの回線として使うのであればもうしばらく様子をみた方がいいだろう。
逆に言えば、1年間は実質無制限で使えるためサブ回線として使いたいと考えている人にはかなりおすすめで、私はメインの回線には「LINEモバイル」を使っており、テザリングを利用してポケットWiFi代わりに使うつもり。
今後自社回線のエリアが拡大し、安定してきた段階でメイン回線として契約しても良いし、気に入らなければ1年未満で解約するといった感じで気軽に契約できるのは1年間無料で使える今だけ。契約を検討している人は急いだほうがいいだろう。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)の口コミ評判
Twitterで調べてみたところ、楽天モバイルの口コミや評判はこんな感じ。
サポートの対応に不満があるという意見が多く、やはりメインの回線として契約するのは不満がある。また利用者が増えてきたことに伴い、自社回線の速度が低下してきているという意見もあった。
ただ、パートナー回線のエリアに住んでいる人は速度制限時に 1Mbps以上の速度が出ているという意見もあるため、このあたりは端末が届き次第、この記事でもレビューしていきたい。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)についてのまとめ
というわけで第4のキャリア「楽天モバイル
」について紹介してみた。
メインの回線として使うためには回線の安定性や速度、サポートの対応面を考えると不安を感じるが、1年間無料で使えることを考えればサブ回線としてはこれ以上のサービスはない。
私自身、話題の「Rakuten mini」を契約したのだが、まだ届いていないので届き次第端末や速度などを紹介していきたい。
なお、1年間無料で使えたり高額なポイント還元はユーザーを増やそうと躍起になっている今だけかもしれないので、気になっているという人は早めに契約しておくことをおすすめしたい。